eラーニングを実施すると、どうしても発生するのが未受講者への催促です。
誰が受講していないのかを調べ、対象者を選び、メールを送る。数日後にもう一度確認して、それでも終わっていない人へ再度連絡する。
本来、研修担当者が時間を使いたいのは、社員に必要な教育を考え、教材や研修内容を改善することです。しかし実際には、未受講者の確認や催促に多くの時間を取られています。
未受講者を減らすには、締切直前に同じメールを繰り返すのではなく、受講状況に応じて対象者を分け、期限前・期限当日・期限後の連絡を仕組みにすることが重要です。
この記事では、未受講者への催促を効率化する手順、反感を招きにくいメール文例、メールアドレスがない社員への対応、LMSで自動化する際のポイントを解説します。
未受講者への催促が大変になる3つの原因
1.受講状況をすぐに確認できない
案内メールの送信履歴だけでは、誰が未着手で、誰が途中まで受講し、誰が修了したのか分かりません。
受講結果をExcelで管理している場合は、最新の社員名簿と提出結果を照合する作業も発生します。対象者や部署が増えるほど、確認や転記に時間がかかります。
2.全員へ同じ内容を送っている
すでに修了した人へ催促メールが届くと、受講者は不信感を持ちます。また、途中まで受講している人へ「まだ受講していません」と伝えることも適切ではありません。
少なくとも、次の状態を分けて管理する必要があります。
- 未着手:一度も受講を始めていない
- 受講中:開始したが修了条件を満たしていない
- 期限切れ:期限までに修了できなかった
- 修了済み:催促の対象から除外する
3.受講者が「いつ、何をすればよいか」を判断できない
「研修を受講してください」という案内だけでは、受講者は優先順位を判断できません。
期限、所要時間、修了条件、受講方法が分からなければ、「時間があるときにやろう」と後回しにされやすくなります。催促回数を増やす前に、最初の案内に必要な情報がそろっているかを確認しましょう。
未受講者への催促を仕組みにする5つの手順
手順1.開始時に必要事項をまとめて伝える
最初の受講案内には、次の項目を入れます。
- 研修を実施する目的
- 受講対象者
- 受講期限
- おおよその所要時間
- 修了条件
- 受講URLまたはQRコード
- ログイン方法
- 問い合わせ先
受講者が案内を読んだ時点で、「自分が対象なのか」「何分必要なのか」「何をすれば修了なのか」を判断できる状態が理想です。
手順2.未着手・受講中・修了を分ける
催促する前に、対象者の受講状況を確認します。
未着手の人にはログイン方法を案内し、受講中の人には続きから再開できることや、残っている教材を伝えます。修了した人は、必ず対象から除外します。
手順3.期限から逆算して連絡する
催促は、締切当日に一度送るだけでは十分ではありません。例えば、2週間の必須研修であれば、次のように設計できます。
| タイミング | 対象者 | 伝える内容 |
|---|---|---|
| 受講開始日 | 全対象者 | 目的、期限、所要時間、修了条件、受講URL |
| 期限7日前 | 未着手・受講中 | 現在の状況、残り期間、再開方法 |
| 期限3日前 | 未修了者 | 期限、必要な対応、問い合わせ先 |
| 期限当日 | 未修了者 | 本日が期限であること、受講URL |
| 期限後 | 期限切れの人 | 延長の有無、新しい期限、今後の対応 |
これは固定された正解ではありません。研修期間、対象人数、業務の繁忙、必須研修か任意研修かによって調整してください。
手順4.催促メールからすぐに受講できるようにする
催促メールを読んだ人が、以前の案内を探さなくても、その場で受講を再開できるようにします。
件名には研修名と期限を入れ、本文には受講期限、所要時間、修了条件、受講URL、問い合わせ先を再掲します。「以前ご案内した研修を受講してください」だけで終わらせないことが重要です。
手順5.期限後の対応を決めておく
期限を過ぎてから対応を考えると、担当者ごとに判断が変わり、管理が複雑になります。
- 受講期限を延長するか
- 延長する場合の新しい期限
- 上司や店舗責任者へ共有するか
- 休職、退職、異動などの対象者をどう扱うか
- 翌月の研修へ繰り越すか
必須研修では、メールを送って終わりにせず、最終的な修了状況を社内の責任者が確認できる運用が必要です。
そのまま使える催促メールの文例
期限7日前・未着手の人向け
件名:【受講のお願い/○月○日まで】情報セキュリティ研修
○○さん
情報セキュリティ研修が、現在未受講となっています。
本研修は、業務で情報を安全に取り扱うため、対象者全員に受講をお願いしているものです。
- 受講期限:○月○日(○)
- 所要時間:約○分
- 修了条件:全教材の閲覧と確認テストへの合格
- 受講URL:○○○○
期限までにご受講をお願いいたします。
ログインや受講方法でお困りの場合は、○○部・○○までご連絡ください。
期限3日前・途中で止まっている人向け
件名:【あと3日】研修の続きから受講してください
○○さん
情報セキュリティ研修は開始済みですが、まだ修了条件を満たしていません。続きから受講できますので、○月○日(○)までに完了をお願いいたします。
- 残っている内容:○○
- 所要時間の目安:約○分
- 受講URL:○○○○
すでに受講を完了している場合や、表示内容に相違がある場合は、○○部・○○までお知らせください。
期限後・受講期限を延長する場合
件名:【要対応】未修了研修の受講期限について
○○さん
○月○日を期限としていた研修が、現在未修了となっています。受講期限を○月○日(○)まで延長しましたので、期間内に完了してください。
- 研修名:○○研修
- 新しい期限:○月○日(○)
- 受講URL:○○○○
- 問い合わせ先:○○部・○○
業務上の事情などにより受講が難しい場合は、期限前に上司または研修担当者へご相談ください。
反感を招きにくい催促文にするポイント
人格ではなく、現在の状態を伝える
「まだやっていません」「何度も連絡しています」と相手を責めるのではなく、「現在未受講です」「修了条件を満たしていません」と事実を伝えます。
催促の目的は、相手を叱ることではなく、必要な研修を完了できる状態にすることです。
受講できない事情を確認できるようにする
未受講の理由は、本人の忙しさだけとは限りません。案内が届いていない、ログインできない、パスワードが分からない、教材が端末で開けない、対象外なのに名簿へ登録されているといった問題が原因になることもあります。
問い合わせ先を明記し、「表示内容に相違がある場合はご連絡ください」と添えておきましょう。
研修の目的を短く伝える
催促を締切だけの話にしないことも大切です。「この研修は何のために必要なのか」「仕事のどの場面に関係するのか」を一文で伝えると、受講者は研修の必要性を理解しやすくなります。
メールアドレスがない社員にはどう催促するか
店舗、工場、物流拠点、介護施設などでは、受講者全員が個人の業務用メールアドレスを持っているとは限りません。その場合、メールによる自動催促だけでは完結しません。
- LMSで未着手・受講中・期限切れの対象者を確認する
- 店舗・部署・拠点ごとに対象者をまとめる
- 店長、班長、所属長などの現場責任者へ共有する
- 朝礼、紙の案内、社内チャットなどで本人へ伝える
- 受講後、LMSで修了状況を再確認する
個人情報を含む未受講者名簿を、全員が見られる掲示板などへ掲載することは避けてください。対象者本人または管理責任者へ、必要な範囲で伝えることが重要です。
メールアドレスなしで受講者を登録する方法については、メールアドレスがない社員にもeラーニングを配信する方法で詳しく解説しています。
LMSで自動化するときに確認したい機能
- 未着手・受講中・修了・期限切れを区別できる
- コース別・組織別に対象者を絞り込める
- 修了者を催促対象から除外できる
- 未受講者だけへ案内を送れる
- 期限切れの受講者を延長・繰り越しできる
- メールアドレスがない人も進捗管理できる
- 月次・年間の報告書を出力できる
自動化の目的は、催促メールを大量に送ることではありません。対象者を間違えず、必要な人へ必要なタイミングで連絡し、担当者が個別支援の必要な人に時間を使えるようにすることです。
FireRocketでできる未受講者フォロー
FireRocketでは、管理画面から受講者の「未受講」「受講中」「修了」「期限切れ」などの状態を確認できます。
コース別・組織別の進捗確認、未受講者への催促、期限を過ぎた未修了者の繰り越し、受講状況を含む月次・年間レポートのExcel出力にも対応しています。
また、メールアドレスを持たない受講者にもログインIDを発行し、QRコード付きの受講案内を配布できます。その場合は管理画面で状況を確認し、所属部署や現場責任者を通じて案内します。
よくある質問
Q1.eラーニングの催促は何日前に送るべきですか?
一律の正解はありません。2週間程度の必須研修なら、開始時の案内に加え、期限7日前、3日前、当日などを候補にします。短期間に何度も送るより、受講者が対応できる時間を残して案内することが重要です。
Q2.催促メールを送っても受講されない場合はどうしますか?
ログインできない、案内が届いていない、教材が開かない、対象者が誤っているなどの原因を確認します。必須研修であれば、本人へのメールだけでなく、所属長や店舗責任者と連携する運用を事前に決めてください。
Q3.修了した人に催促メールを送らない方法はありますか?
送信前に最新の受講状況を確認し、修了者を対象から除外します。LMSを選ぶ際は、未着手・受講中・修了・期限切れを区別し、未修了者だけへ案内できるか確認してください。
Q4.メールアドレスがない社員にも催促できますか?
メールによる催促はできませんが、LMS上で受講状況を確認し、所属部署や現場責任者を通じて案内できます。個別ID、初回パスワード、QRコードを記載した受講案内と組み合わせると運用しやすくなります。
Q5.未受講者への催促は自動化できますか?
対応するLMSであれば自動化できます。ただし、送信回数だけを増やすのではなく、修了者の除外、受講状況に応じた文面、期限後の対応まで含めて設計することが重要です。
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まずはテスト用の受講者を登録し、「未着手」「受講中」「修了」に分けたうえで、催促から報告書出力までの流れをご確認ください。