コーヒーチェーン店でアルバイトを始めた方から、こんな話を聞きました。
チェーン店なら、仕事の手順や接客方法がきちんとマニュアル化されていて、誰から教わっても同じように覚えられると思っていたそうです。
ところが、実際に働き始めると違いました。
ある先輩は「この順番でやって」と言う。
別の先輩は「先にこちらを済ませた方がいい」と言う。
昨日教わった通りに動いたのに、今日は別の人から「そのやり方は違う」と注意される。
仕事を覚えようとしているのに、教える人によって正解が変わってしまうのです。
これは、働き始めた人にとって、かなり覚えにくい状況です。
チェーン店にマニュアルがあっても、教え方がそろうとは限らない
チェーン店には、一般的に業務マニュアルがあります。
接客の仕方、商品の作り方、清掃、開店や閉店の作業、レジ操作、衛生管理など、さまざまなルールが決められています。
それでも、実際の教育は現場に任されていることがあります。
文章で書かれたマニュアルがあっても、忙しい時間に毎回開いて確認するのは難しい。
結果として、先輩スタッフが自分の経験をもとに説明します。
長く働いている人ほど、自分なりの効率的なやり方を持っています。それ自体が悪いわけではありません。
しかし、人によって説明する内容や順番、言葉が違えば、新人は何を基準に覚えればよいのか分からなくなります。
「マニュアルが存在すること」と「全員が同じ基準で教えられること」は、同じではありません。
新人が困るのは、仕事を覚えられないからだけではない
人によって教え方が違うと、新人は作業手順だけでなく、人間関係まで考えながら働くことになります。
「昨日の人に教わった通りにやった、と言ってもよいのだろうか」
「この人の前では、どちらのやり方に合わせればよいのだろうか」
「また間違っていると言われるのではないか」
本来は商品や接客を覚えるために使うはずの意識が、「誰の言うことを聞けばよいか」に使われてしまいます。
そして、注意されることが続けば、自分は仕事ができないのではないかと思い始めます。
けれども、覚えられない原因が本人にあるとは限りません。
そもそも、教わる内容が統一されていないのかもしれないのです。
店長も、同じことを何度も説明している
一方で、教える側の店長も大変です。
店舗の運営、売上管理、発注、シフト調整、接客、クレーム対応。本来の仕事だけでも忙しいなかで、新しいスタッフが入るたびに、同じ内容を最初から説明します。
一度説明しても、すべてを覚えてもらえるわけではありません。
新人から質問が来れば、作業を止めて答える。
別の新人が入れば、また同じことを説明する。
教える先輩によって内容が違えば、その修正もしなければなりません。
店長が悪いわけでも、先輩が悪いわけでも、新人が悪いわけでもありません。
人の記憶と口頭説明だけで、店舗教育を回そうとしている仕組みに無理があるのだと思います。
「何度言えば分かるのか」の前に考えたいこと
忙しいと、つい「前にも説明したよね」と言いたくなります。
しかし、新人にとっては、一度に覚えなければならないことがたくさんあります。
商品名、レシピ、レジ、接客用語、清掃、備品の場所、店内での動き方。説明を受けたときには理解できても、実際の仕事中に思い出せないことがあります。
しかも、説明する人によって内容が少しずつ違えば、記憶はさらに曖昧になります。
必要なのは、店長が根気よく同じ説明を繰り返すことだけではありません。
新人が迷ったとき、自分で正しい手順を確認できる状態をつくることです。
店舗教育には「共通の正解」が必要になる
店舗ごとに状況が違うため、すべてを完全に同じにすることはできません。
それでも、少なくとも次のような基本業務には、共通の基準が必要です。
- 商品を提供するまでの基本手順
- 接客で使う言葉や対応方法
- レジや機器の操作
- 衛生管理と安全上の注意
- 開店・閉店時に行う作業
- 困ったときに確認する相手
まず、会社や店舗が「このやり方を基本とする」と決める。
その内容を、文章だけでなく、短い動画や画像を使って分かりやすく伝える。
働く人が、必要なときにスマートフォンから確認できるようにする。
誰がどこまで学んだかを把握し、理解できていない部分だけを人が補う。
ここまで整っていれば、教育する人の経験や、その日の忙しさだけに左右されにくくなります。
教育を仕組みにしても、人が不要になるわけではない
店舗教育をデジタル化すると、「動画を見せて終わりになるのではないか」と心配されることがあります。
しかし、目指すべき姿は逆です。
毎回同じように伝える基本事項は、教材で統一する。
分からなくなったときの確認は、本人ができるようにする。
そのうえで店長や先輩は、実際の動きを見ながら、声のかけ方やお客様への配慮など、人にしか教えられないことに時間を使う。
「説明を減らすこと」が目的ではありません。
同じ説明の繰り返しを減らし、本当に人が関わるべき教育へ時間を使えるようにすることが目的です。
店長の記憶に頼る教育から、店舗に残る教育へ
教える人が変わるたびに、教え方まで変わってしまう。
新人が入るたびに、店長が同じ説明を繰り返す。
分からないことがあっても、忙しそうな先輩には聞きにくい。
こうした問題は、一人ひとりの努力だけでは解決しにくいものです。
だからこそ、店舗教育そのものを仕組みにする必要があります。
私たちは、チェーン店や多店舗企業の教育を支える「TEMPO」を提供しています。
店長やベテランスタッフの頭の中にある教え方を、店舗で共有できる形にする。新人が基本を繰り返し学び、必要なときに確認できるようにする。誰がどこまで学んだのかを把握し、店舗ごとの教育のばらつきを減らしていく。
TEMPOが目指しているのは、マニュアルを置くことではありません。
新人が「人によって言うことが違う」と迷わず、店長が「また同じ説明をしなければ」と疲弊しない店舗をつくることです。
チェーン店なのに、教え方が違う。
その状態を、現場の頑張りだけに任せない。
店舗教育を、人に依存する仕事から、店舗に残る仕組みへ変えていきたいと考えています。
TEMPO
https://tempo.fire-rocket.net/
#店舗教育 #新人教育 #アルバイト教育 #マニュアル #動画マニュアル
#多店舗展開 #チェーン店 #人材育成 #店長業務 #TEMPO
